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本や映画、食べ物、ヨガのことなどなど・・・心にピンときた、いろいろのものについて思ったことを書いています
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『ロリータ』ウラジミール・ナボコフ

今年初めに大江健三郎の『臈たしアナベル・リイ総毛立ちつ身まかりつ』を読んだ後、そのモチーフとされたエドガー・アラン・ポーの「アナベル・リィ」を含む詩集(岩波文庫)を読んでいました。
わたしは韻文が苦手ですが、ポーの詩は甘美さの中に苦味もあって、美しいなぁと思っていました。

ポーの詩と『ロリータ』が関連しているとは知らなかったのですが、ある夜、寝しなにちらっとみたTV番組でこの作品を思い出して、読んでみることに。
(読んでみると随所にこの詩に拠る描写があって、それを理解できるのが嬉しかった)



読む前のこの作品のイメージは、「変態的な愛(性愛?)を皮肉で描いた」というものでした。
ところが、実際はそのイメージを綺麗に払拭してあまりあるほど、縦にも横にもそして上下にも奥行きを持った、そして様々な小説の要素を兼ね備えた、ものすごい作品でした。

前半こそ、女の子を持つ親の立場からは、とても読めたものではないなと思わされましたが。
(前半を読んでいるところで、幼い娘さんを持つ男性から「何読んでるの?」と尋ねられたのですが、変に後ろめたさを感じて、答えられなかった・・・没頭していたせいでもあります)


語りつくされていることではありますが、これは恋愛小説のようでもあり、一人の男(または少女)の悲劇でもあり、喜劇のようでもあり、または旅行記のようでもあり・・・読む人によって様々に結論づけられるでしょうけれど、わたしには、ある男の、主に叶わない恋を中心に描いた、哀しい人生についての物語、でした。


物語とその展開もさることながら、そこへ絡めた数々の描写が本当にすばらしい。
読み始めると没頭してしまって、時の経つのを忘れ、中断するのが難しいほど。
小説というのは、物語物語るということは、こういうことなのかと、思い知らされました。


ところで、どうやら日本語訳について、賛否云々あるようですが、わたしは初めて読んだ若島訳に特に不満は感じませんでした。
ただ、大久保訳も確かに気になります。
だったら、原文で読まないと、って話になるわけですが、いやいやこれを原文で読む勇気は到底ないな、と思ったのですが、文庫本の巻末に解説文を寄せていたのがなんと!大江健三郎氏で、それを読んで何となく勇気は湧いてきたものの・・・
・・・とりあえずは、英語力をつけねばな!




ロリータ (新潮文庫)
ウラジーミル ナボコフ / / 新潮社


ポー詩集―対訳 (岩波文庫―アメリカ詩人選)
エドガー・アラン・ポー / / 岩波書店


臈たしアナベル・リイ総毛立ちつ身まかりつ
大江 健三郎 / / 新潮社
by chiemhana | 2008-08-19 18:15 |