『2:37』(第19回東京国際映画祭)
今年もやってきました!東京国際映画祭!
とはいえ、チケット購入は大幅に出遅れ、見たいと思っていた作品は逃してしまいました。
そこで、スケジュールがあうこと、チケットがまだあったこと、そして夫が縁のあるオーストラリアの若い監督が撮ったということで興味をひかれて選んだのが『2:37』という作品。
なんと、コンペティション部門でした!
入口で手渡されたのは審査用紙!(そんな大層なものじゃないか)
自分も映画祭に参加している、という気になれます。
かなり嬉しい・・・♪
さて映画ですが、すでに来年GWに公開されることが決定していますので、詳しくは書かないことにします。
監督が19歳のときに初めて撮った作品だそうですが、信じられないほど、洗練された完成度の高い作品です。
そして、静かで力強いメッセージが伝わってきます。
実は、作中で描かれるある事象について、わたしは個人的にとても嫌悪感を覚えたのですが、そんなことを隅に追いやるほど、映画はよくできていました。
公開されたら、ぜひたくさんの人にみてもらいたいと思います。
さてさて、これも映画祭の醍醐味、ティーチインですが、今年のこの作品については、プレスと一般の合同記者会見という形式でした。
プロの記者たちの質問はさぞや鋭くスマートなものだろうと思っていたら、「えー、そんなこと聞くの?みてわかんなかったのー?」というような質問をする人もいて、ちょっとがっかり。
でも、監督のムラーリ・K・タルリ氏はとても真摯な態度で、全ての質問にとても熱心に丁寧に答えていました。
そこからも作品への思いが伝わります。
で、わたしも、どうしようどうしようと思いながら、「えいやっ」と手をあげたら、司会の田中千世子さん(映画祭のプログラミング・ディレクターです)に「手のあげっぷりがいいので」という理由で最後の質問者に選んでもらいました。(ちょっと恥ずかしかった・・・)
そこで、「この作品は、監督の個人的な体験に根ざして、「自殺」という大きなテーマをもって描かれていますが、登場人物たちはそれぞれに、社会的ともいえる問題を抱えています。彼らにそれらの問題を課したのはどういう理由で?」というようなことをたずねました。
すると、「全て今まで身辺で見聞きしてきた問題だ」、という答えでした。中には監督自身が抱えていたというものも。
なるほど。
若い監督は、これまでの自身の人生すべてを、この作品に注ぎ込んだのかもしれません。。。
しかしながら、あの構成力というか、物語る力というか、驚くべきものがあります。
ぜひ次は、自分自身とは切り離した題材で撮った、タルリ監督作品を観てみたいです・・・!
by chiemhana
| 2006-10-26 10:32
| 映画