本や映画、食べ物、ヨガのことなどなど・・・心にピンときた、いろいろのものについて思ったことを書いています
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『めがね』

『バーバー吉野』『かもめ食堂』に続く、荻上直子監督の最新作。

『バーバー吉野』も面白かったけれど、何しろ『かもめ食堂』はわたし的にど真ん中のストライクで、あまりに気に入ったのでDVDも購入してしまったほど。

待ちに待った『めがね』を観てきました。


どこか、たぶん南の方の島の、海辺の美しいところ。
そこにひっそりとたたずむ民宿ハマダ。
大きなスーツケースを引きずってやってきたタエコは、客であるにもかかわらず、客らしいもてなしを受けることができない。むしろ、お客でもないのに、ハンドバック1つで毎年春になるとやってくるという謎の来訪者サクラさんの方が、珍重されている。
そこではみんな「たそがれる」ことが得意で、毎朝サクラさんの指導の下「メルシー体操」を行い、サクラさんの氷を食べて、ゆったりと時を過ごしている。
そこになかなか馴染めないタエコだが・・・


劇場入り口の券売所でわたしがチケットを購入している間、夫は若いカップルの会話を耳にしたそうです。

男子「あ~『めがね』。オレ、ああいう“ゆるゆるだらだら”な映画、ダメなんだよね~」女子「わかるぅ~。あたしも~。」

ほほう。「ゆるゆるだらだら」ねぇ。

確かに、この映画が何でできているかというと、美しいロケーションと、美味しそうなごはん、ほんの少しの会話(セリフ)と、穏やかに流れ行く時間、そんなもので構成されています。
ゆったりながら、しっかりしたストーリー展開を持っていた『かもめ食堂』とはまた違うので、”行間を読む“のが苦手な夫も、心の底からはこの映画を楽しめなかったみたい。


でもやっぱり、わたしは「いいなぁ」と思ってしまいます。
だって、タエコさんみたいに南の島でのんびり過ごしてみたいし、ハマダの朝ごはんはとても美味しそうだし(いつかハマダのような民宿をやりたいなぁ)、サクラさんの氷がものすっごく食べた~い。

でもそれだけではないのです。
わたしが「いいなぁ」と思ってしまうのは、この映画が「絶妙な距離感」を描いているからだと感じます。


ああいう上手な距離感を保つのが難しい今日このごろ。
境界線をつい踏み越えて、ずかずかと”侵入“してしまったり。
逆に、それを恐れて最初から関わるのを諦めてしまったり。
むしろ拒否してしまう、など。

彼らは、美味しいものが手に入ったから、とか、せっかく一緒にいるから、というような感じで、食事は共にするけれど、でも互いの詳しい素性などは知らない。
ある意味ギヴ&テイクが成り立っているから、それで充分なのです。
あ、ただしこの場合のギヴ&テイクは、物理的・金銭的なものではありませんけどね。


こうやって書いていたら、もう一度観たくなってきてしまった。
あ~、それにしても、サクラさんの氷、本当に、食べたいなぁ~。
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by chiemhana | 2007-10-07 07:54 | 映画

『シッコ』

マイケル・ムーア監督の最新作、『シッコ』をみてきました。

アメリカの医療制度の現状を捉えた、ドキュメンタリー問題作です。

どうだったかって?

いやー、怖かった、怖かった、怖かったー!
アメリカでは、医療保険に個人で入るのだそうですね。
まず、それに入れない(そこにお金をかけられない)人がたくさんいます。
そういう人が怪我をしたり、何かの病気になって治療が必要なとき、
その治療費はもちろん払えません。
イコール、怪我や病気がひどくなるのを待って、果ては死に至るだけです。
あぁ・・・怖っ。

それから、保険に入っていても、安心できません。
病院でお医者様に「あなたは○○病なので△△治療をします」と言われても、
保険会社がその病気を否定したり、「その治療は不要」とか言ってくれます。
お金を支払いたくないからです!
あぁ・・・怖い、怖いっ。

(この他にも、恐ろしいエピソード満載です。
でも、けっこう笑えるし、ちょっと泣けます。)

こういうシステムを日本も踏襲しようとしているという噂を耳にしたのですが、
誰か嘘だと言って下さい!!
(現在の日本の制度だって、アメリカよりはまだましだけど、手放しで「すばらしい!完璧です!」とは言えませんね。)


マイケル・ムーア監督のドキュメンタリーは、
監督の主張が色濃く出ていて、
純然たるドキュメンタリーといえるのかどうか、わたしにはわかりません。

でも、知らなかったことを知るきっかけにはなっていると思います。
現に、わたしはこうして知りえたわけですし。

だから、とりあえず、
皆さん見ておいたほうがいいです。

それが「ほんの一部」とは言えないほどの割合で起こっている事実があるのですから、
何がしかのムーブメントが起こって、快方へと向かってくれるといい
と、切に願います。

こういうことは、おそらく、
その制度により害を被った人よりむしろ、
恩恵を受けている人たちが気付かないといけないのでしょうけれど。




+肝心なことを書き忘れました。
 映画を観ている間中、思っていたことがありました。
 「病気にならないにこしたことはない!」ってことです。
 自分で予防していれば罹らずにすむ病気なら、
 罹らない方がいいです。当たり前です。


++でも、自分はどうしようもない生まれ持ったものもあります。
   そういう人が安心して治療を受けられるような、
   そういう制度は絶対必要だと思います。

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by chiemhana | 2007-09-03 17:39 | 映画

『怪談』

映画『怪談』をみました。

三遊亭園朝の『真景累ヶ淵』という噺が原作です。
これ、1日に1時間ずつ15日かけて行われる噺なのだとか。
壮大な物語ですね。
岩波文庫から本もでているようなので、いつか読んでみたいものです。


下総の国、羽生村。皆川宗悦は深見新左衞門の屋敷へ借金の取立てにいったところ、金は返してもらえず切り殺されてしまう。
「深見様、お怨み申しあげますぞ」
新左衞門は宗悦の亡骸を箱に入れ、鎌を魔除けとしてくくりつけ、沈めると二度と浮き上がってこないという「かさねが淵」に沈めるが、その後深見家に不可思議な不幸が度重なり、ついには新左衞門が妻を殺め自らも自害をしてお家断絶となる。
それから25年後の江戸、深川。富本の師匠志賀と煙草売りの新吉は親子ほどの年の差ながら、恋に落ちてしまう。何の因果か二人はそれぞれ宗悦の娘と、新左衞門の息子。
すっかり新吉に惚れ込み、評判を落としてみるみる弟子も減っていく志賀。
新吉との口論から志賀は顔に傷を負うが、それがもとで命を落としてしまう。
「この後女房を持てば必ずや取り殺すからそう思え」
―そこから新吉の地獄の道行きが始まる―


と、ちょっとオーバーだったかしら。。。

わたし、ホラー映画は苦手です。
ただ、これはあくまでも「怪談」だろうと思っていました。
確かに、全体的にはやっぱり「怪談」なのです。
どちらかというと、「うらめしや~」的な。
でも、途中、「それはルール違反では?」と思うようなホラー演出が。。。
もう、そうなってしまうと、いつまたアレが出てくるかと気が気ではなくて、集中できませんでした。

そんなわけで、見終わった直後は腑に落ちない点がいくつもあったのですが、
後からあれこれ考えてみると、いろいろな解釈が出来る、
奥の深いお話になっていたように思います。


妹と2人で見たのですが(どちらも夫は見たがらず。でも、男性は見なくて正解かも!?)、妹は「びっくり屋」。
ただでさえ映画のシーンに驚かされているのに、
隣に座った妹の反応に、2重にも3重にも驚かされます。
こういう映画を一緒にみる相手としては、ちょっと微妙でした。。。

それから、妹は尾上菊之助について
「『こんなにきれいな顔で』って言われたり、あんなにモテるのが理解できない」
と言っていました。
うーむ、その意見、わからなくはない。
わたしは、女優さんたちより化粧が濃く見えるのが気になりました。
しかし、すごく良かったのです。
何ともいえない色気があるし、
それに、すごく優しいかと思いきやふと冷酷になったり、
頼りなく見えたかと思いきや途端に力強くみえたり。
それが”豹変する”という感じではなくて、ごく自然な流れで変化するのです。
それは、生来の優しさに加えて何かに憑かれているようなところのある、
新吉にぴったりでした。

それから、着物姿の黒木瞳の、身の所作が美しかったなぁ。。。



後日、妹から「怪談」というタイトルで送られてきたメールには、
こんな写真が。

d0058543_16531349.jpg


・・・踊っているようにも見えますが、これはハルというヤクザな猫です。



では、お口直しに、
誰にでも好かれて、誰にでも優しいところが新吉のような、
八方美人で色男のはな。のアンニュイな顔。

d0058543_16552669.jpg



※写真は映画とは全く関係がありませんでした。




ここから、自分の解釈を書いてみます。

この先は、映画をみた方のみでお願いします。
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by chiemhana | 2007-08-16 17:24 | 映画

『ゾディアック』

観てから時間経ってます。
そろそろ劇場では観られなくなっているかもしれませんが・・・


1970年代、アメリカを震撼させた、連続猟奇殺人事件。
ある日新聞社に一通の犯行声明が届き、そこには犯人しか知り得ない情報と、暗号が記されており、その人物は自らを「ゾディアック」と名のる。
パズルや暗号を解きその答えを求めるように、犯人からの暗号を解くこと、犯人を割り出すことに憑かれ、次第にその人生を狂わせて行く担当刑事、新聞社の担当記者、そして挿絵画家。
未だ解決していないこの事件を、その事件の内容そのものよりも、事件に関わったことで振り回されてしまった人物たちに焦点を当てて描いた映画です。


最近知り合った映画好きの人に「『ゾディアック』は見ないんですか?」とたずねると、「うーん。どうせ『セブン』なんじゃないかと思って。」という応え。
なるほど。
『セブン』のデヴィッド・フィンチャーが監督です。
もしかして、そうなのかしらとわたしも覚悟しながら、みました。


もし、『セブン』を期待してみた人がいたら、きっとがっかりしたでしょう。
事件は「解決」しないのですから。そりゃそうです。実際の事件も解決していませんからね。
そういう意味では、ものすごくフラストレーションを感じる映画かもしれません。

わたしがこの映画をみて思ったことがいくつかあります。
まず、わたしたちは謎を解きたがる、答えを知りたがる、そういう性質をもつ生き物だということ。それをまざまざと見せ付けられたような気がしました。
また、思い込みや信念、執念、そういうものの恐ろしさ。「こいつじゃないか」と思われる容疑者が現れるが、物証が揃わない。「何とかこいつであげたい」と強く思いすぎることで、他のことを見失ったり身を破滅に導く行動にでたりしてしまう。冤罪の恐ろしさも思わされました。
それから、ゾディアックを追う刑事も記者も挿絵画家も、「悪を成敗してやる」って感じではないのです。「こんなことする奴はどんなやつだ、この目で見てみたい」という個人的興味に見えます。何だか、いいかげんなのです。

結局、何が言いたかったのかって、もしかしたら、例えば事件が3つの所轄をまたいで起きていたので情報交換が遅かったとか、初動捜査に抜かりがあったとか、映画を観ている限りでは、警察はゾディアックに振り回されっぱなしですから、そういうことを指摘したかったのかもしれません。・・・そうではない、とは思いますが。


こうしてみると、『セブン』はなんて素晴らしい映画なんだろう。
ちゃんと犯人がつかまって、なぜこんなことをしたかを語ってくれるのだから!

フィンチャー監督は子どもの頃、この事件の物々しい空気を味わっているそうですが、彼はまさにそこからの満たされない感覚を、自らの映画(『セブン』)で消化したって感じですね。
でも実際は映画『ゾディアック』で描かれているように、真実は謎に包まれたままなのです。

このゾディアック事件は、その後、模倣犯が何件もあったり、連続猟奇殺人とか快楽殺人とかの先駆け的に位置づけられているようですが、もしかしたらこの事件を解決できていないことって、ものすごく重大な過失なのかもしれませんね。



夜、夫と妹と3人で観て、妹を家に送って2人で帰ったわけですが、怖かったです。
義弟がまだ帰宅していないことを知っていたので、妹のことも心配だし、ゾディアックはカップルを襲っていたので、夫と2人の夜道も怖かったです。映画はさほど残虐なシーンを執拗に描くとか、そういうことはなかったのですが。
やはり、解決していないからでしょうか・・・。
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by chiemhana | 2007-08-04 11:05 | 映画

洋の東西、ガールズムービー揃い踏み

『マリー・アントワネット』、と『さくらん』
この2本を観ました。


『マリー・アントワネット』は、ソフィア・コッポラが描くフランス王朝最後の王妃の物語。
しかし、映画で描かれるのは、一般によく知られている「マリー・アントワネット像」とはちょっと違います。
というより、「実はこんなにチャーミングで、芯の通った女性だったのよ」という仕上がり。
わたしはこの映画を観て、マリー・アントワネットという女性が好きになったし、彼女みたいに凛として生きていきたいものだわぁ、と思ったものです。

かわって、『さくらん』。こちらは安野モヨ子のコミックをフォトグラファーの蜷川実花が映画化していますが、色街に生きる花魁の話です。
幼い頃に「身売り」され吉原にやってきた女の子が、自分の境遇や遊郭の掟に逆らおうとしながらも、徐々にその世界で大成していく、という物語。


この2作品に、共通しているものを感じました。
というよりむしろ、両方観たからこそ、感じ取れたことがある、と言ったほうが正しいかも。
どちらも、「女性として」とか「女性だから」というよりも、「それ以前に人間として」まっとうに生きたいとか、あるべき生き方を追い求めるというか、ヒロインたちのそんな姿勢が見えたような気がします。
どちらのヒロインも、生きていく上で大きな「枷」を負わされているのですが、それでも、それだからこそ、強く自分らしく自分の人生を生きようとしているように見えたのです。

はからずも時を同じくしてこういう映画が出揃ったことも、面白いなぁと感じます。


それから、かたやパステルカラーのドレスや靴&美味しそうなスイーツ、かたや色彩豊かなきもの&造形も魅せる花&そして金魚たち・・・と、視覚に訴える「美しい(キレイ、カワイイ)もの」満載なところも、共通していますね。
それから「音楽」!
どちらも「今」の音楽で、それが意外に映像ともぴったりするし、時代や境遇を飛び越えて、登場人物たちの心情をぐぐっと近いものに感じさせてくれるのです。

2本とも、女の子同士で観て、おしゃべりのネタにしたい、そんな映画でもあります。
(男性と一緒に観たら、もうちょっと違った、少し重い印象になるかも・・・)



そうそう、『さくらん』について特に書いておきたいのは、菅野美穂と木村佳乃。
本当に、菅野美穂は手練手管で客を翻弄するトップ花魁に見えたし、木村佳乃は二進も三進もいかなくなるほどの「情念」を見事に演じておりました。。。
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by chiemhana | 2007-03-07 13:45 | 映画

『不都合な真実』

「不都合な真実」を観て


観てきました。

正直に言うと、特に目新しいことがなかった、かもしれません。

知ってるよ、やってるよ、でも!
良くなっていないのはどういうわけ!?

という憤りを、若干、覚えました。

でもそれは、わたしにも責任がある
自分がやってるだけじゃ、だめなんだ。
知らない人に教えてあげなきゃならないし、
今やっている程度のことでは、もう間に合わないんだ。

そういうわけなので、
皆さん、ぜひこの映画を観てください。


   不都合な真実 http://www.futsugou.jp/


わたしが「目新しいことがない」というのは、
元々ちょっとばかり、この問題に関心があったからに過ぎません。
(地球の行く末を案じて、眠れなくなるようなこどもでしたので。。。)

とはいえ、観て愕然としたことがあります。
まずは、最近よく言われている、南極の棚氷の崩落。ショッキングな写真でした。
また、それによって海水面が上昇し、わたしの住んでいるような所は水没してしまう、ということは知っていましたが、例えばヒマラヤの氷が解けてなくなってしまうと、今度は飲み水を確保できないという被害を広大な地域でこうむることになるというのです。
それから、「自然界のバランスがくずれている」ともよく耳にしますが、具体的には?どうして温暖化したからってどうしてそうなるの?ということ。
例えば、渡り鳥が渡ってきて、卵を抱いて、その卵からヒナが孵る時期というのが決まっています。
そしてそれにぴったりあうように、イモ虫たちが卵から孵るわけです。
自然界のシステムって、素晴らしいですね。心底感動しましたよ。
ところが、温暖化の影響でイモ虫の目覚める時期が早まり、鳥の方はイモ虫に合わせることができなかった。
渡り鳥は食料を確保できず、イモ虫は増えすぎてしまいます。
それである種の虫が大量発生したり、それに伴って新しい疫病が流行ったり、するわけです。
SARSも鳥インフルエンザも、温暖化の影響というわけです。

温暖化によって引き起こされる恐ろしいことは、ほかにも数限りなくあげられます。
それはぜひ映画を観て、恐ろしさを肌で感じてください。

そして、これからどうすればいいのか、それもぜひ映画を観て、考え、選んでください。



わたしは、1つ心に決めたことがあります。
実は我が家は最近車を買い替えました。
わたしはハイブリッドカーを切望したけれど、「格好悪いし、見切りも悪い、使いづらい」という理由で、夫に却下されてしまったのです。
でも。これからそのためにお金を貯めて、5年後には格好良いハイブリッドカーに乗り換えさせるぞ!と決意を新たにいたしました。

本当は木を植えたいけれど、植える土地を持っていません。
どうしたらいいのでしょうか。
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by chiemhana | 2007-02-26 11:17 | 映画

『ドリーム・ガールズ』

公開したばかりの『ドリーム・ガールズ』を、観てきました。

わたしは普段から、ソウルとかR&Bとか聞く方ではないけれど、あの歌の迫力には参ってしまいます。
何度も鳥肌立ちました。

片田舎で歌手になることを夢見ている、女の子3人組「ドリーメッツ」。抜群の歌唱力を持ったエフィ、美しいディーナ、チャーミングなローレルは、エフィの兄C.C.の作る歌を、彼の振り付けで踊りながら絶妙なコンビネーションで歌い聞かせる。
彼女達の才能に魅了されたカーティス・テイラーJrは、彼女達のプロデュースを買って出る。初めは人気歌手ジミー・アーリーのバック・コーラスから。カーティスは私財を投じ、汚い手段を用いながらも、ジミーと彼女達をスターダムにのし上げていく・・・抜群の歌唱力と美しいルックスで順調に人気を博していく3人。やがてグループ名を「ドリームズ」と変え、リード・ボーカルをエフィからディーナに変えて広く売り出し始めた頃から、円満だった彼らの関係に亀裂が走り始め・・・



純粋な、音楽や歌、歌うことへの情熱が昇華していく小気味良さ。
しかしあちらを立てればこちらが立たず・・・で、ギクシャクしていく人間関係に苦い思い。
ところがその根底にあるのは、やはり強く結ばれた、愛や絆だったいう感動。
キラキラして華やかで美しいステージシーン。
舞台の表と裏を行ったり来たりしているような構成で、時にはうっとおしいほど引き寄せられ、時には突き放される感覚。

後味の気持ちよい、軽快なエンターテインメント作品です。


ところで、ビヨンセって、可愛いですね~。
うっとりしちゃいました。
そして、エフィ役のジェニファー・ハドソン。まぁ、美人とはいえませんが、とにかく、あの堂に入った演技と、何よりあの歌唱力はすごい。

彼女のように歌えたら、さぞかし気持ち良いのでしょうねぇ。。。
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by chiemhana | 2007-02-18 10:21 | 映画

『長い散歩』

物語の主人公、安田松太郎は名古屋のとある高校の校長を勤め上げ、定年退職した。しかし教育者としての厳格さが裏目に出たのか、家庭はうまくいかず、アルコール依存症の妻が死に、一人娘は父を憎んでいる。妻の葬式を済ませた後、松太郎は家を引き払い、何かを清算するかのように質素なアパートに移り住む。その部屋の壁一つ隔てたところに、母親に虐待されている少女、幸(サチ)の世界があった。松太郎が幸を救い出し、心を閉ざした彼女の手を取り、旅に出るまでに多くの時間はかからなかった。初めて人間らしい愛情に触れ、頑なな心を次第に開いていく幸。松太郎にとってそれは亡き妻と自分の人生に対する贖罪の旅でもあった。しかし、同時に松太郎は少女誘拐犯として指名手配されていた。捜査の網の目は、彼らを次第に追い詰めていく…。



モントリオール国際映画祭で3冠を制したそうです。
それにしても、日曜日だというのに映画館内は閑散としていて、がっかりでした。

というのも、わたしは奥田瑛二監督のファン。
手法は「ちょっとクサイかなぁ・・・」というほどの表現なのですが、情感たっぷりでセンチメンタルなテーマと、その美意識には惹きつけられるものがあります。

今回も、物語の展開としては、ファンタジー。(「映画だなぁ」という展開。でも、監督の狙いがそうなのでしょう。)随所に、じっと見入ってしまう、胸にしみてしまう名シーン。
でも、家庭崩壊や幼児虐待、生きる希望を見出せない若者など、テーマは非常にリアル。

そして、どれだけ、ささやかでもいい、ハッピーエンドを願ったかしれませんが、ラストもやっぱりリアルなのでした。
ここで、この映画を観たわたしが、幸せで安心してはいけないのです。
注意すべきこと、見過ごしてはいけないことが、この世間にはあふれているのですから。
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by chiemhana | 2007-01-21 21:55 | 映画

『2:37』(第19回東京国際映画祭)

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今年もやってきました!東京国際映画祭!

とはいえ、チケット購入は大幅に出遅れ、見たいと思っていた作品は逃してしまいました。

そこで、スケジュールがあうこと、チケットがまだあったこと、そして夫が縁のあるオーストラリアの若い監督が撮ったということで興味をひかれて選んだのが『2:37』という作品。
なんと、コンペティション部門でした!
入口で手渡されたのは審査用紙!(そんな大層なものじゃないか)
自分も映画祭に参加している、という気になれます。
かなり嬉しい・・・♪


さて映画ですが、すでに来年GWに公開されることが決定していますので、詳しくは書かないことにします。
監督が19歳のときに初めて撮った作品だそうですが、信じられないほど、洗練された完成度の高い作品です。
そして、静かで力強いメッセージが伝わってきます。
実は、作中で描かれるある事象について、わたしは個人的にとても嫌悪感を覚えたのですが、そんなことを隅に追いやるほど、映画はよくできていました。
公開されたら、ぜひたくさんの人にみてもらいたいと思います。


さてさて、これも映画祭の醍醐味、ティーチインですが、今年のこの作品については、プレスと一般の合同記者会見という形式でした。
プロの記者たちの質問はさぞや鋭くスマートなものだろうと思っていたら、「えー、そんなこと聞くの?みてわかんなかったのー?」というような質問をする人もいて、ちょっとがっかり。
でも、監督のムラーリ・K・タルリ氏はとても真摯な態度で、全ての質問にとても熱心に丁寧に答えていました。
そこからも作品への思いが伝わります。

で、わたしも、どうしようどうしようと思いながら、「えいやっ」と手をあげたら、司会の田中千世子さん(映画祭のプログラミング・ディレクターです)に「手のあげっぷりがいいので」という理由で最後の質問者に選んでもらいました。(ちょっと恥ずかしかった・・・)

そこで、「この作品は、監督の個人的な体験に根ざして、「自殺」という大きなテーマをもって描かれていますが、登場人物たちはそれぞれに、社会的ともいえる問題を抱えています。彼らにそれらの問題を課したのはどういう理由で?」というようなことをたずねました。
すると、「全て今まで身辺で見聞きしてきた問題だ」、という答えでした。中には監督自身が抱えていたというものも。

なるほど。
若い監督は、これまでの自身の人生すべてを、この作品に注ぎ込んだのかもしれません。。。

しかしながら、あの構成力というか、物語る力というか、驚くべきものがあります。
ぜひ次は、自分自身とは切り離した題材で撮った、タルリ監督作品を観てみたいです・・・!
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by chiemhana | 2006-10-26 10:32 | 映画

『ハード・キャンディー』

渋谷シネマライズで『ハード・キャンディー』を観ました。
ちょっと気になっているものの、あまり気が進まずにいたところ、知人の男性に強くすすめられたので、「それならば」と久しぶりに1人で観てきました。

チャットで親しくなったジェフとヘイリーはある日カフェで待ち合わせる。ジェフはファッション・カメラマンの30代半ばの男性、ヘイリーは14歳の少女。会ってさらに意気投合した2人はジェフの自宅へ。ヘイリーの作ったスクリュー・ドライバーをすすりながら会話は親密になり、やがてジェフはヘイリーにせがまれるまま彼女の写真を撮り始めるが突然意識を失ってしまう・・・。意識を取り戻したジェフは椅子に縛り付けられており、ヘイリーは彼を尋問し、家の中を捜索している。ヘイリーはジェフがロリコンであること、これまでにその手の犯罪を犯していることを確信し、その証拠となるものを探しているのだった。

さて、そこからヘイリーのジェフへの制裁とジェフの反撃、それに対するヘイリーの更なる制裁が繰り広げられるわけですが、これが凄まじいです。
いやー、すごい映画ができちゃったもんだ、というのが第一印象。
でも、あまり人には薦められないです。
ただし、小さな人たちへの性犯罪に憤りを覚えた経験がある人なら、痛快な映画と成り得るかもしれません。
わたしも実際、小気味良いとさえ思いました。
その一方で、ジェフへの同情も禁じえません。
それはもちろん、小児性愛(字幕では「ロリコン」となっていましたが、実際は「pedophile」と発音していたので、日本で言う「ロリコン」よりも、それが犯罪に繋がってしまうほどもっと深刻な性向を言っているようです)に対してではありません。
そうではなくて、ジェフが最後まで捨て切れなかった「見栄」に対してです。
これについては苦い印象を持ちました。

映画の作りとしては、ほとんど2人きりの密室劇ですが、台詞の構成がすばらしく、非常によくできた作品だと思います。

でも、テーマがテーマなだけに、展開が展開なだけに、見終わった後にスッキリせず、やっぱり夫と一緒に観に行って意見交換をできればよかったな、と思いました。



どなたかご覧になったら、ぜひご意見をお寄せください。
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by chiemhana | 2006-08-28 18:05 | 映画