本や映画、食べ物、ヨガのことなどなど・・・心にピンときた、いろいろのものについて思ったことを書いています
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『皇帝ペンギン』と・・・帰宅難民

きのうは、朝IYC九段下の入門クラスに参加したあと(とても楽しかった!それにIYC九段下もノリコ先生も気に入ってしまいました。その話はまたの機会に。)、一度帰宅。昼食をすませた後、恵比寿ガーデンシネマへ『皇帝ペンギン』を見に行ってきました。

映画は、南極の過酷な環境の下、自然のリズムに導かれ、直向に命を後継しながら生きる皇帝ペンギンの一冬を追った、ドキュメンタリータッチの映画。
実に多くの時間をカメラは捕らえていて、映像はすばらしかったです。
ただ、父・母・子、とペンギンに役割を与えて役者が台詞をあてているという構成。
それは効果的な時もあれば、逆効果な場合も。
そのままで十分にドラマティックなのですが、それを盛り上げるかのような台詞があてられてしまうと、映像が持つ本来の魅力が損なわれることもあると思うのです。

もしくは、わたしが、皇帝ペンギンのこの生態について知識があったため、そのように感じてしまったのかもしれませんが。

ただ、太陽や月の動きに従い、新しい命を育むために生きているかのように見えるペンギンが、時折見せる感情的な表情には、とても心を揺さぶられました。
ほんの短い時間しか共有しない雄と雌ですが、互いを愛しむような仕草をみせたり、卵やヒナを失ったときにあげる悲しげな鳴き声など。

さて、この映画を見ている最中に、地面から突き上げられるような振動を感じたかと思えばグラグラっと大きな地震が・・・。
驚きました。
映画館の中って、比較対象(揺れるもの)がないのでどの程度の揺れなのか判断がつきにくいです。
でも、大人数がひとつの空間の中にあって、高い悲鳴が上がると、余計に恐怖心が煽られるのを感じました。こういうことが引き金で、暴動(?)は起きるのではないかと、それが怖かったです。

見終わって、フラフラとお店をのぞきながら駅へ行くと、電車が止まっていました。
地震発生からある程度の時間が経っていた(おそらく映画の中盤だった)し、もう少し待てば動くのではないかと、もう一時間ほどウィンドーショッピング。
それでもまだ止まっています。
しかも「運転再開の目途はたっていません。」とのアナウンス。
我が家は東京の東の外れ。「日比谷線は運転再開との情報が入りました。」の声を聞いて、地下鉄なら大丈夫なのではないか?と、三田線を目指して徒歩で目黒へ向かいました。
途中、割れた品物を確認する酒屋さんを目撃。意外と大変な揺れだったことを確認。
そして目黒駅周辺も大変な混雑。地下鉄も動いていませんでした。
タクシーに乗ろうにも、空車なんていやしません。
仕方なく、とりあえず先のほうへ歩いてみることに。
品川方面へかなり歩いたところで、偶然空車のタクシーにめぐり合えたので乗り込み、中間地点まで妹夫婦に迎えに来てもらって、結局3時間かけて帰宅したのでした。

思わぬところでちょっと大変なことに巻き込まれましたが、首都圏直下型が起きた場合はこの程度ではすまないとのこと。
うーむ、恐ろしい。
この経験を、何とか生かしたいものです。
(でも、いつ・どんなとき に起こるかわかりませんからねぇ。そのことを学んだでしょうか。)
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by chiemhana | 2005-07-24 21:53 | 映画

『ぼくの好きな先生』

Etre et avoir ぼくの好きな先生
/ バップ
スコア選択: ★★★




山梨で、テニスの後の休憩中にみたもので、途中眠たくて仕方ありませんでした。

フランスの田舎、小さな小学校の半年間。
1人の先生が、下は3歳から上は12歳までの十数人の子どもを一つの教室でみています。
全員が一つの教室の中で、別々のことをしながら、先生は順順に指導していき、時には高学年の子たちが小さな子の面倒をみたり・・・。
勉強の仕方は、「なるほど、そういうやり方だろうな」と思えます。
重いまぶたを支えながら、わたしがはっとしたのはそれ以外の部分。

先生が中学年の男の子と教科書を読んでいます。
途中質問をはさみ、彼自身のことと照らしながら。
すると小さな子たちは先生に構ってもらおうと、二人の会話に割り込んできます。
先生はそれを制します。
それでも)小さな子はつい口をはさんでしまいます。
そこで先生は「今、彼と話しているんだよ。邪魔しないで。」ときっぱり言い放ちます。
一見冷たいようですが、映画全体を通してみる限り、この先生は彼らのことをとても愛しているし、先生自身の言動にむらがありません。常に一貫した姿勢を保っているのです。
するとこのシーンから、年若いうちから自己が確立される所以を見たように思えるのです。
先生はたとえ小さな子でも、誰かに指示されてここ(学校)へ来ているのではない、自発的に学ぶため来ているのだ、という自覚をさせます。
つまり、ここへは学びにきているのであって、おしゃべりにきているわけではない。
全員がそうなので、他の子の学ぶ機会を邪魔してはいけない。
ということを、中学年の子も、小さな子も、この時に身を持って学んだのではないかと思います。

こういう場合、制するほうが難しいと思う。
もし自分だったら、つい、横槍の相手もしてしまうと思います。

映画の冒頭に、吹雪の中、牛を追うというシーンがあります。
叩いたり押したりするのではなく、手を振り声をかけ牛を導きます。
最初は、なんだこのシーンは?と思いましたが、見ているうちに、そうかこの先生の「教育」というのはまさに、吹雪の中で牛たちを安全な場所へ「導く」、そういうようなことなんだなと思えてきます。
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by chiemhana | 2005-07-21 09:43 | 映画

『白いカラス』

映画「白いカラス」

強い姿勢を貫いて大学内で地位を築いてきたシルク。それゆえ敵も多い彼が、講義に一度も顔を出さない生徒を「彼らは幽霊(スプーク)か?」と言ったのが運の尽き。「スプーク」には俗語で「黒人」の意味があり、たまたまその学生たちが黒人だったため、人種差別をしたとして大学を追われることになってしまいます。
そのショックゆえに妻をも失ってしまうシルク。
老いて、職も地位も妻も失った彼は、それでも前向きに強く生きている。
そんな彼に触発されて、森の奥での隠遁生活から、社会的な生活を取り戻すようになった作家ネイサン。
映画はシルクの視点と、ネイサンの視点、二方向から描かれます。
ある時、シルクはフォーニアをいう若い女性と出会い、恋に落ちます。
彼女は、今もって癒えない深い傷を心に負っています。
大きな年齢差や、社会的地位の差から、批判を受ける二人ですが、互いに境遇を労わり合い、支えあって、深く愛し合うようになります。

実はシルクは白い肌を持って生まれた黒人。
人種差別の疑いがかけられたとき、真実を打ち明けていれば、全てを失わずに済んだわけですが、彼が長年そのことを隠して生きてきたのには、わけがあります。
若い頃に愛し合った女性。彼女は、彼が本当は黒人だということを知り、離れていってしまう。
シルクは自分の出自を明かさないことを堅く決心するのです。
彼はまた、フォーニアに、そのかつての恋人の姿を重ねてもいます。
そして、自分の負った傷(若い頃の傷、大学を追われ妻を失った傷)によって、フォーニアの傷(幼い頃は継父からの性的虐待を、結婚後は夫から家庭内暴力を受け、二人の子供を事故で亡くすという悲惨な過去)も理解するのです。
そして、二人を死に追いやってしまう、フォーニアの元夫。
彼もまた癒えない傷を負っています。
ベトナム戦争で受けた傷、それによってフォーニアを傷つけてしまうのですが、それゆえ妻を失ってしまい再び傷つきます。そして、フォーニアと同じように、子供を失って傷ついている。

彼らはただ不運なだけではありません。
社会的な歪みから、傷を負っている。
一見、特異なケースのように見えますが、彼らに関わることは、わたしたちのすぐ身近にも溢れています。
それを、当事者だけではなく、作家ネイサンの視点を借りることによって、誰かに肩入れするのではなく、冷静にみせつける。

静かで地味ですが、とてもよく描いている映画だと思いました。
未だ断ち切れない悪循環の鎖。
ある意味では、絶望的な話でもあります。


余談ですが、ニコール・キッドマン、かっこいいですよね。
彼女もヨガ愛好者のはず。
細いのに、締まった腕と背中が美しかったです。
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by chiemhana | 2005-06-27 18:16 | 映画

『LOVERS』

「LOVERS」

ストーリーを追ってはいけません。
これは、歴史ドラマでも、ましてや時代劇でも、アクション活劇でもありません。
タイトルのまま、「愛し合う者たち」の物語なのです。

身を賭して愛しているのに相手の気持ちがままならない、やるせない愛。
愛してはいけないと知りながら、気持ちを抑えることができない愛。
演じていたつもりが、いつの間にか本気になってしまった愛。
複雑に絡み合った三角関係。
理屈や道理ではどうにもできない“愛”の問題。

途中「つっこみどころ満載じゃん!」と思いながら見ていました(アンディ・ラウが再び「内偵」役を演じているとか、決闘が秋から冬へ変わり雪が積もる間中続くとか)が、終盤、そんな考えもどこへやら、三人の苦しい愛の物語に絡め取られてしまったのです。

結局、結末はどうなったのか?
「愛する」という自身の気持ちさえも理解・コントロールできないのです。そんなのわかるわけがありません。
でも、「愛」ってそんなものなのかもしれません。

そしてこの映画は美しいのです。
動きに合わせて様々な空間を描き出す衣裳の美しさ、野花に覆われた丘を疾走する馬、白樺の木立の中に佇む馬に乗った男の後姿、チャン・ツィイーの静かな笑顔の美しさ。
何より、真っ赤に萌える山々、赤い落ち葉で敷き詰められた野道、鮮やかな緑の竹林、そういった色彩の美しさ、様式の美しさ、そんなものに彩られた、苦しい愛の映画なのでした。
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by chiemhana | 2005-06-14 09:35 | 映画

『ジョゼと虎と魚たち』

大学生の恒夫。
適当にバイトして、大学行って、可愛い女の子とHして・・・毎日をニヤニヤ笑いで過ごしているような、将来への展望も現在持っている信念もないようなちゃらんぽらんな男の子。
ひょんなことから足の自由がきかない、女の子と出会います。
彼女の足が不自由なことを恥じて、世間から隠したがるおばあさんと暮らすその女の子は自分を「ジョゼ」と名乗ります。
料理は絶品で、恒夫は朝食目当てでジョゼ宅に出入りするようになります。
無愛想で風変わりなジョゼ。
しかし一緒に過ごすうちに、彼女がとても真っ直ぐでピュアできらきらしたところのある女の子であることが見えてきます。
徐々に親しくなり、互いに好意を寄せ合うようになる恒夫とジョゼですが・・・

というお話。
これは「恋」のお話だと思います。
ただし、もっと大きなものを包む、「愛」には発展しきれなかった「恋」。
そこにはジョゼの障害はあまり大きく関わっているようには思われません。
一人でも凛と生きていくジョゼ。
本当はとても弱い(それは社会的立場からも、一人の女の子としても)のですが、彼女はその自分の弱さと、それから恒夫の弱さもしっかりと見抜いて、見据えていて、その上で生きていく術を心得ている。
そんな彼女の凛とした姿勢に恒夫も惹かれたのでしょう。
しかし、だからこそ、彼にはできなかったことがある。

田辺聖子の原作もとてもキュートですが、この映画は、原作に応用をつけて、それに成功していると思えます。
作品そのものが、きらきらしている。(妻夫木聡と池脇千鶴がまたいいのです!)
そして、切ない。
ラストはなんとも言えません。
切ないんだけれど、とても正しい。
そして、物語の続きは、きっと明るい世界だと思えるのです。

そしてそして、エンディングに流れる、くるりの『ハイウェイ』。
しびれます・・・。


ジョゼと虎と魚たち(通常版)
/ 角川エンタテインメント
スコア選択: ★★★★★
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by chiemhana | 2005-06-06 16:17 | 映画

『インファナル・アフェアⅡ』

一作目からは時を遡り、英国領の頃の香港。
黒社会を牛耳るマフィア組織の二度の代替わり。
警察とマフィア、それぞれから潜入している若者二人の物語を織り交ぜながら、主軸は首領ハウを中心としたンガイ家の盛衰、ウォン警視とサムの信頼と裏切りを描いていきます。

一作目の登場人物たちの意外な関係など、小細工が多く、「あ~!そうだったんだ!」と感心する一方、そのせいで粗も目立っているように思えました。
(主に年数の関係で、納得のいかないことが多かった。)

とはいえ、これはこれで、非常にかっこいい、マフィア映画に仕上がっています。
ヤンとラウ、それぞれの若年代を演じる俳優たちが、一作目の役者たちが演じた癖などを同じようにやってみせるところといい、ンガイ家のハウの目論見と失敗、それによるジレンマなど、さながら香港版『ゴッド・ファーザー』(これもしびれちゃいますね。)のようです。
ハウが4人のボスたちを落としていくシーン、弔いのためにみな無言で杯を掲げるシーン、4年目の弔い合戦など、何と言うか・・・とにかくかっこいいです。
香港返還と合わせ、黒社会の権力が移行したこと、それによって、一作目に描かれた新たな戦いが始まることを予見させます。

さぁ、登場人物たちの来歴を学んだところで、いざ、三作目へ!
(果たして劇場公開中に見られるのでしょうか?)
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by chiemhana | 2005-06-03 09:53 | 映画

『ウィスキー』

渋谷CINE AMUSEで現在公開中。
www.bitter.co.jp/whisky

南米はウルグアイの映画。
(恥ずかしながら、小松菜亭はウルグアイがどこにあるのか存じませんでした。)
小さな靴下工場を営むハコボ。
母の墓の建立式にブラジルに住む弟のエルマンをよびよせます。
二人は久々に再会するようす。
見栄があるのか、ハコボは自分の工場に長年勤めるマルタという地味で勤勉な女性に、自分の妻役を依頼します。
終始無表情なハコボとマルタ。
代わり映えのしない繰り返しの毎日に訪れた、エルマン(=「非日常」)。
それでも変わらないハコボと、変化を楽しむマルタ。
物語の途中で終わってしまったような印象のエンディング。
でもそれでわたしたちは、もっと深い物語を楽しむことができます。

ハコボの工場のように地味なストーリー展開。
でも、その中に突然生まれる小さなギャップや、変化を楽しむマルタと元に戻そうとするハコボの綱引きのようなやりとり、仏頂面で突然意外なほどのホスピタリティを発揮するハコボ、などなど、クスクス笑いが止まりません。

マルタの声とイントネーションが愛らしく、3人が度々口にするブラジルも気になります。

遠いようで、なぜか親しみを感じる、楽しく、そしてちょっと切ない映画です。

ちなみに、東京国際映画祭にてグランプリ・主演女優賞を、カンヌ映画祭にてオリジナル視点賞・国際批評家連盟賞を受賞だそうです。

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by chiemhana | 2005-05-31 09:59 | 映画

『インファナル・アフェア』

三作目を劇場でみたくて、おっつけで見始めています。

マフィア組織から警察に潜入させられたラウと、優秀であるがゆえ警察から潜入捜査官としてマフィア組織に潜り込んでいるヤン。
互いにスパイが潜り込んでいることに気付いたマフィア組織の長サムと、ヤンの上司で彼の正体を知る唯一の人物であるウォン警視との攻防。
それに振り回されるヤンとラウ、それぞれの、自らの使命と現在の立場とのギャップゆえの苦悩。
人物描写や心理描写が優れています。
展開も、最後までよみきれない、面白さ。
「非のうちどころがない」といったら少し大袈裟かもしれませんが、ほぼそのくらい、よくできています。
面白かった!

二作目は予告編を見る限り、話が過去に遡って、サムとウォン警視に主軸が移るようです。
一作目での人物描写に深みがあり、この二人にも長年の関係がありそうな様子を匂わせていたので、こちらも楽しみです。

それにしても、トニー・レオンて、いい男だなぁ。
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by chiemhana | 2005-05-30 09:23 | 映画

『ミツバチのささやき』

映画『ミツバチのささやき』のこと。

島本理生の『ナラタージュ』がきっかけで、思い出しました。
10年位前から、「みたい映画リスト」に加わっていたこの映画のことを。

スペイン、ビクトル・エリセ監督、1973年の作品。
アナという幼い少女の心の中にわいた空想の世界。
それが育っていく様子。
そして現実に引き戻されるまで。
スペイン内乱の影響が描かれているそうですが、そこのところはよくわかりませんでした。
こういう世界を持っていたときが、あったな、という切ない気持ち。
そして何と言ってもアナ役アナ・トレントの切ないほどの美しさ。
「美しい」という言葉でも、少しそぐわないような気がします。
中性的な雰囲気もあるのです。
作品全体としては、台詞も少なく静かで、物語もそれほど起伏に富んでいません。(ヤマもオチもあってないような・・・)
しかしシーンの一つ一つが絵画のように美しく、見終わった後に長い余韻が残ります。
「きっとこうして成長していくのだろう」と自然に思え、物語の続きはそれほど気になりません。
ただ、この世界にもっと留まっていたいと感じました。

近い日にやはり『ナラタージュ』に登場、同監督の『エル・スール』もみました。こちらもやはり美しい映画でしたが、『ミツバチのささやき』の方が、アナ・トレントの魅力とあわせ、印象がより深かったように思われます。
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by chiemhana | 2005-05-27 09:21 | 映画