『百年の孤独』ガブリエル・ガルシア・マルケス
この作品については「難解」という言葉をよく耳にするので、
今まで手が伸びずにいたのではありますが、
その前に超大作を読破していたわたしは
少し気が大きくなっていたのと、
同じ名前の焼酎が飲んでみたくて、
でも、この作品を読む前に焼酎に手を出してしまったら、
ただの飲兵衛じゃないか、という一抹の不安が脳裏を過ぎったという、
いささか不順な動機から読むことにしたわけですが、
どうして今まで読まなかったんだろう!という激しい後悔と同時に
この作品に出会えたという幸福感に目眩がしそうでした。
クロニクル、のようでありながら、ファンタジーのようでもある。
リアルな現実に、当たり前のように差し挟まれる非現実。
こういうのを、「マジック・リアリズム」というのだとか。
そういう手法だか技法だかは、
でも、そんなの関係ねぇ!(ちょっとふるいね。。。)のです。
その現実と非現実との境目のなさ、
それがものすごく肌に合ったわけです。
未だ出会ったことはないけれど、もし足にぴったりの靴を見つけたら、
こんな感じなのではないかしら、と思います。
そういう小説に初めて出会いました。
これも読み応え十分の長編小説なわけですが、
こんなに全編通して同じテンションで読みきった作品も
初めてでした。
まあ、それは、物語の中で世代は移ろっても、
同じことが繰り返されるからと言えばそれまでなのだけれど、
例えれば、
ヤマもオチもなくて、じゃあずっと平坦なのかというとそうでもなくて、
常に緩い上り坂を登っていて、でもそれは高いところに続いているわけではなくて、
ものすごく盛り上がったり、退屈だったりすることはないけど、
ずっと何かへの期待を孕んだ微熱が続くような、
そんな感じなのです。
ちなみにわたしは、アウレリャノ・ブエンディア大佐が好きで、
アマランタに強いシンパシーを感じたのでした。
by chiemhana
| 2009-06-16 14:26
| 本