人気ブログランキング | 話題のタグを見る

本や映画、食べ物、ヨガのことなどなど・・・心にピンときた、いろいろのものについて思ったことを書いています
by chiemhana
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリ
全体

映画

yoga
EBS
猫&犬
音楽
きもの
雑記

未分類
タグ
(48)
(31)
(23)
(20)
(19)
(12)
(11)
(8)
(6)
(5)
(5)
(5)
(5)
(4)
(3)
(3)
(1)
(1)
(1)
(1)
フォロー中のブログ
じぶん日記
曼荼羅石見房
ニューヨークでのヨガ生活
旅とパンのスロウな日々
横浜ひっそり生活
ひよこアシュタンギ観察日記
ヨガの日記 カラダから自...
フツーに生きてるGAYの日常
先生の独り言
NY的良好瑜伽生活
エンタメ!あれこれ百貨店
ヒトは猫のペットである
recharge
NY的良好映画生活
マンダラの本棚
拓な毎日
AppleMintの雑記帳
うちの夫の好きなトコ
坂本美雨 「ニクキュウ ...
フィレンツェ田舎生活便り2
meet to the ...
気軽に毎日3分ヨガ。
vege dining ...
アイアンガーヨガ勉強会最...
大島ヨガライフスタイル研究所
マンダラべジレシピ
STONE MANDAL...
吉祥寺kesaブログ
芳香療法覚書
あわじしまっこ、フィレン...
Listo ビーズジュエ...
カリフォルニア食堂- t...
リンク
以前の記事
2011年 02月
2011年 01月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
more...
ブログパーツ
ライフログ

アイアンガー|ヨガ (GAIA BOOKS) [PR]


野菜畑のレシピ―106RECIPES FROM VEGETABLE FARM おいしい野菜をたっ [PR]


イサム・ノグチ〈下〉―宿命の越境者 [PR]


Yoga: The Path to Holistic Health (Yoga for Living) [PR]


百年の孤独 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1967)) [PR]


ハゲタカ DVD-BOX [PR]


すいか DVD-BOX (4枚組) [PR]

検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

『白いカラス』

映画「白いカラス」

強い姿勢を貫いて大学内で地位を築いてきたシルク。それゆえ敵も多い彼が、講義に一度も顔を出さない生徒を「彼らは幽霊(スプーク)か?」と言ったのが運の尽き。「スプーク」には俗語で「黒人」の意味があり、たまたまその学生たちが黒人だったため、人種差別をしたとして大学を追われることになってしまいます。
そのショックゆえに妻をも失ってしまうシルク。
老いて、職も地位も妻も失った彼は、それでも前向きに強く生きている。
そんな彼に触発されて、森の奥での隠遁生活から、社会的な生活を取り戻すようになった作家ネイサン。
映画はシルクの視点と、ネイサンの視点、二方向から描かれます。
ある時、シルクはフォーニアをいう若い女性と出会い、恋に落ちます。
彼女は、今もって癒えない深い傷を心に負っています。
大きな年齢差や、社会的地位の差から、批判を受ける二人ですが、互いに境遇を労わり合い、支えあって、深く愛し合うようになります。

実はシルクは白い肌を持って生まれた黒人。
人種差別の疑いがかけられたとき、真実を打ち明けていれば、全てを失わずに済んだわけですが、彼が長年そのことを隠して生きてきたのには、わけがあります。
若い頃に愛し合った女性。彼女は、彼が本当は黒人だということを知り、離れていってしまう。
シルクは自分の出自を明かさないことを堅く決心するのです。
彼はまた、フォーニアに、そのかつての恋人の姿を重ねてもいます。
そして、自分の負った傷(若い頃の傷、大学を追われ妻を失った傷)によって、フォーニアの傷(幼い頃は継父からの性的虐待を、結婚後は夫から家庭内暴力を受け、二人の子供を事故で亡くすという悲惨な過去)も理解するのです。
そして、二人を死に追いやってしまう、フォーニアの元夫。
彼もまた癒えない傷を負っています。
ベトナム戦争で受けた傷、それによってフォーニアを傷つけてしまうのですが、それゆえ妻を失ってしまい再び傷つきます。そして、フォーニアと同じように、子供を失って傷ついている。

彼らはただ不運なだけではありません。
社会的な歪みから、傷を負っている。
一見、特異なケースのように見えますが、彼らに関わることは、わたしたちのすぐ身近にも溢れています。
それを、当事者だけではなく、作家ネイサンの視点を借りることによって、誰かに肩入れするのではなく、冷静にみせつける。

静かで地味ですが、とてもよく描いている映画だと思いました。
未だ断ち切れない悪循環の鎖。
ある意味では、絶望的な話でもあります。


余談ですが、ニコール・キッドマン、かっこいいですよね。
彼女もヨガ愛好者のはず。
細いのに、締まった腕と背中が美しかったです。
by chiemhana | 2005-06-27 18:16 | 映画